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精神障害者向けビジネスの行方

 私は、過去大学4年生の時、就職に失敗し、錦糸町と押上の間にある精神科のクリニックに通院を開始した。その頃は精神科ビジネスなんて物は頭にはなかったが、クリニックを錦糸町駅に近いところに代え、大規模デイケアに参加するようになってから、もしもということで、患者目線ではなく、クリニックの経営者目線で、精神障害者向けビジネスというものを考えてみた。

 今現在、精神障害者が就労する際、障害者手帳の取得というのは必要不可欠である。また、クリニックに併設されているデイケアに参加するのに、自立支援は必要である。その他に、精神障害者の生活をサポートするため、障害者年金というのも必要である。なので、精神科のクリニックの場合、デイケア・障害者手帳・自立支援・障害者年金の4点セットは今日は必要不可欠なのかもしれない。いや、現在はデイケアの代わりに、就労移行機関も入ってくるかも知れない。

 以上、4点或いは5点セットを兼ね備えたクリニックというのは、現時点ではそんなにないかも知れない。でも、さらに色々な事を考える経営者というのはいて、これらのセットの他に、在宅治療や訪問看護まで手を出しているクリニックがある。ここまでくると、もう精神障害者の病気を治し、社会復帰をさせるというクリニック本来の概念はぶっ飛んでしまい、むしろ精神障害者向けビジネスと化してしまってくる。

 以前、私がお世話になっていた人が、東京の場合、電車の駅ごとに精神科クリニックはあるから、心配することはないよと私に話しかけてきてくれた。私もこの意見には賛成である。だから、患者の立場からしたら、医学部に進んで、精神科を選ぶことを私は勧めない。理由は、東京の場合、精神科のクリニックは乱立状態だからである。だが、うつ病は治らない場合があるし、統合失調症も寛解までで、治る確率は極めて低い。なので、私は学生時代から、精神科に通院しているが、その他にも、降圧剤を処方してもらうため、また、睡眠時無呼吸症候群の治療のため、私は定期的に通院している。

 今まで述べた様なことを考慮すると、一度かかった患者を定期的に通院させるクリニックというのは、実を言うと商売が上手いのかもしれない。本来であれば、病院やクリニックというのは病気を治すところである。経営が上手くいっているクリニックや病院の中には、新患の患者さんは受け入れませんというところもある。そのようなクリニックが決していいのか悪いのかは私にはわからない。だが、医師免許を持っている以上、患者の病気を治し、社会に戻すといった当初の理念は忘れてはいけないと思う。

 延々とくだらないことを述べてきたが、精神病患者からすれば、やはり病気を治してくれる、また、社会復帰までサポートしてくれる力のある病院、又は、クリニックを選択したいものである。