注目キーワード
  1. 清澄白河
  2. 近況報告
  3. 人生

一億総中流社会は過去の社会である。

 一億総中流社会という言葉を聞いたことがあるだろうか。一億総中流社会とは、多くの日本人が自分は、中流階級だと思っていた頃の社会である。この頃は、日本国民の所得が増え、テレビ・洗濯機・冷蔵庫などの三種の神器が各世帯に普及し、誰もが豊かで中流意識を持っていたのである。私が生まれた1970年代の頃の日本の社会である。

 ところが、この社会は1990年代のバブルが崩壊した頃から変化していく。2000年頃には、いわゆる勝ち組・負け組という言葉が使われるようになり、21世紀になると派遣労働者の増加により、正規・非正規という言葉が使われるようになり、現在に至っている。大企業になれば大体の職場で、非正規の労働者は見かけると思う。

 このような社会においては、自分は中流階級だと思う人はもうほとんどないと思う。大企業で重要な役職に就き、多額の報酬を得る人がいる一方で、非正規のまま給料も変わらず、労働している人がいるのが、現実なのである。このような社会のことを格差社会と呼ぶ人もいるが、メディアではあまり取り上げられることはない。

 では、もしこのような社会において、ドロップアウトしてしまったら、どうすればいいのか。その答えは残念ながら私にもだせない。ただ出来る事といえば、お金をため、教育を受けられるようにし、自分で自分の生活設計をするしかない。お金を貯めることは出来ても、義務教育以上の教育を受けられるかどうかは、今の日本では未知数である。

 結論を敢えて言う。正直に言うと、今の社会は格差社会であり、一億総中流社会と呼ぶのにはふさわしくない。一億総中流社会は過去の日本における社会であり、このような時代は、もう二度と訪れることはない。今の社会において、日常生活を有意義に過ごしていくには、自助努力しかないと思う。