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奨学金の返済の話

 私が学生の時、奨学金制度を受けているという学生は男子学生で1人いたが、他にはそのような人には巡り合わなかった。だが、ここ10年の間に、奨学金制度を学生時代活用し、返済しているという人に合わせて3人も巡り合った。

 一番目の人は、私が就労移行支援事業所に通所していた時の女性のスタッフであった。その人は大学卒業後、最初ツタヤに入社したのだが、その会社を辞めて、就労移行支援事業所に転職してきた人だった。当時、30代の女性で自宅に戻るとアルコールを飲むのが趣味という人だった。ただ、かなり前のことなので、今はどうしているかわからない。

 二番目の人は、大学に通学しながら奨学金を返済しているという女子大生であった。その人とは、デリヘルの業者を介して会ったのだが、学生時代に奨学金を返済したいという目的を持って、やむを得ずこの仕事をしていると私に話してくれた。一回しか会わなかったが、もう学校は卒業して社会人として普通の生活をしている。今はその業者のホームページを見ても、その人の写真は掲載されてはいない。

 三番目の人は、学校を卒業した後、会社に勤めていたが、奨学金の返済のため、デリヘルの仕事をしているという人だった。その人の話によると、会社に勤務したままだと、38歳まで返済をしなければならない。とてもじゃないが、このままだと人生設計が出来ないので、デリヘルの仕事についたと私に話してくれた。今もこの仕事をしているのかどうかという点については、不明である。

 今まで挙げてきた3人に共通するのは、皆独身であるということである。しかも最初の就労移行支援事業所のスタッフ以外は、風俗の仕事をしている。一昔前だと、大学に進学するという人はあまりいなかったので、このようなケースはまれであったのだろうが、現在は大学に進学する人が増えたので、奨学金制度を使ってでも、大学に進学し、返済するという人が増え、このようなケースが多くみられるようになったのだと思われる。

 結論をいうと、職歴もない若者が社会に出て働くには、ある程度の学歴は必要である。だが、奨学金制度を使い、人生設計が狂ってしまっては元も子もない。私は幸い奨学金制度を使わずに社会に出て、何とか生活しているが、奨学金制度のおかげで、人生狂ってしまったら何のために進学したのかという話になる。出来れば、奨学金制度を使わなくても学校に行けるような社会で生活出来ればと思う。