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物を売る時代から情報を売る時代へ

 つい最近のことだが、面識のある人から連絡があって、鈴木さんは物品販売は考えてないのですかと聞かれた。以前、私は財布や時計などの物品販売をして、小遣いを得ていたので、その人は上記のような質問をしてきたのだと思う。私は確かに小遣い稼ぎ程度ではあり、物品販売をしていたが、今はしていないので、その人にこのように答えた。以前、確かに私は物品販売をしていたが、東京のど真ん中に住んでいて、在庫を抱えたり、賃料を支払うリスクを考えるとそのようなことは出来ない。物を売るなら地方に移り住んで、リスクを最小限にしてやりたい。

 その人は少しがっかりしていたようだが、大体東京の中心部に住んでいて、物を売るというのは考えてみると非常にリスクが大きい。それなら、障害年金を受給して生活をしているのと、生活保護で暮らしている知人がいるので、どのようにすれば、生活保護や障害年金を受給出来るのか。生活保護や障害年金を受給して生活を送るメリットやデメリットはどうなのか。また、障害者手帳を申請して所持した場合のメリットやデメリットは。以上のような情報を伝え、小遣い稼ぎをしたほうがいいとその人に話した。

 要するに私が何を言いたかったのかと言うと、情報が集まる場所に居住している場合、物を売るより情報を売った方がはるかにいいだろうということである。物を売るのは、わざわざ大都市で行わなくても田舎か地方で行えばリスクは少なくてすむということである。しかも、ネットやSNSなどのツールがあるので、確実に情報を売る時代になりつつあるということが言いたかったのである。

 リクルートの創業者である江副浩正という人は、学生時代に新橋で起業し、リクルートを巨大企業へ成長させていった。求人広告という情報を売る業界の先駆者である。また、堀江貴文氏が刑務所に入っていたころ、ネットで情報商材を売るということが流行った。その大半は詐欺まがいのものだったが、それで、財を成した人も出た。

 スマホやパソコンが普及する前の時代は、物を売るというのが主流で、情報を売るというのはテレビや新聞などの紙媒体などに限られていた。ところが、パソコンやスマホが普及し、ツイッターやLINEなどのSNS、また、サロンなどが出てくると、情報を売るという個人や法人が多数出てきた。確かに今でも、物を売るということは衰えてはない。でも、確実に情報を売るということの地位は、以前と比べ相対的に大きなウエイトを占めるようになってきた。

 よく情弱、つまり、情報弱者という言葉を耳にする。昔はそんな言葉は使われなかったが、裏を返せば、今は生活するのに、情報というのは非常に大切になってきたということである。物を売るということも大切ではあるが、今の社会において、日常生活を送るのに、情報を売るあるいは情報を買うというのも大切な時代になってきたのだと思う。