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格差と階級の未来を読んで

 4月になり、自由に過ごせる時間が増えたので、鈴木貴博氏が書いた「格差と階級の未来」という本を読んでみました。この本は2019年に出された本なので、少し古いかなと思う点はありましたが、この本の内容や思ったことを記してみたいと思います。

 現在の日本は格差社会であるという点は否めないと思います。この様なことは、アメリカや中国でも起きていますが、驚いたのはこの様な社会が行きつくと、資本家階級と経営者階級、そして労働者階級に分類され、中流階級と呼ばれる人たちの多くは新下流層へと転落してしまうということです。現在、多くの人達は労働者階級に属しているのですが、AI(人工知能)の発達により、仕事が奪われ、新下流層へと転落してしまうというのです。グローバルな企業だと、新興国に進出していくので、一時的には新興国で中流階級が増えていきますが、その人たちも新下流層へと転落してしまうということです。

 では、この様な社会で、我々はどのように自己防衛したらよいのかということも、この本には書かれています。結論から述べると、世界の富が集中しているアメリカ市場で株を買うこと。また、S&P500を積立方式で購入すること。その他に、人的資本と金融資本を大切にすることなどが書かれていました。その他には、ベーシックインカムの話や仮想通貨の話などが書かれていました。

 私自身、この本を読んで、あれと思った箇所もありましたが、読んで良かったと思いました。2003年に森永卓郎氏が「年収300万円時代を生き抜く経済学」という本を出してベストセラーとなりました。「格差と階級の未来」という本はあまり話題とはなりませんでしたが、この本では新下流層になると年収180万円の世界になってしまうとのことです。私自身はもう50代のおじさんなので、上記のことに関してはどうでもいいのですが、この本には別に、お金に働いてもらうということも書かれていました。そこで、驚いたのは世界の富が集まっているアメリカ市場で株やインデックスを購入するということです。確かにアメリカの金融市場においては、リーマンショックやその他の経済危機が幾つかありましたが、著者によれば、それらは一時的なものだというように書かれていました。私自身、アメリカ市場も過熱気味なので、ただ傍観しているだけでしたが、世界の富はアメリカに集まっていること。また、アメリカの金融市場の特性から、S&P500を積み立てていくと良いという点に関心が向かいました。

 これから生きていかなければならない世代に対して、厳しいことかもしれませんが、資本主義がここまで進んでしまった以上、資本家階級と経営者階級、あと、労働者階級に人達が分断されてしまったのは、仕方がないことだと割り切らなければいけないと思います。この様な状況の中で、AIに仕事が奪われ、収入が下がる前に人的資本を大切にしながら、資本家として生活するのが、私はベストだと思います。その中で、複利の力を大切にしながら、お金に働いてもらうという考えを生かし、投資をする。お金を積み立てていくということを実践していくしかないと思います。アメリカ市場という考えはこの本を読んで意表をつかれましたが、とにかく毎日毎日大切にして頂きたいと思います。いずれにせよ読んで損する本ではないので、一読されることをお奨めします。