注目キーワード
  1. 清澄白河
  2. 近況報告
  3. 人生

入江先生のこと

 今年の4月になり、無職となった私は結構時間を持て余すようになった。そこで、現在においても、精神科に通院しているのだが、以前お世話になっていた入江先生がまだ診察をしていることが、わかったので入江先生に会いにいくことにした。

 入江先生は、私が大学4年生だった1992年の7月から2011年の7月まで、基本的にお世話になっていた先生である。今でも、先生が診察をしている精神科のクリニックに電話をしたところ、現在の精神科の主治医に確認を取ってから来てくださいとのことだったので、先週の土曜日の外来の診察の時に、現在の主治医に入江先生に会う約束をしている旨を話し、今週の火曜日に入江先生の診察を受けに(お会いしに)、クリニックに行った。

 クリニックに到着し、受付を済ませたのだが、残念なことに私が知っているスタッフは一人もいなかった。しばらく待って、インティークの方が、お話を4階で聞きますとのことだったので、4階のカウンセリングルームに行き、話をした。その日はお会いするのが、主な目的だったのだが、自費診療という形だったので、診察を受けるという形で私は話をした。

 その後、しばらくして私の診察の番になり、私は入江先生の診察を受けることになった。診察室に入って、私は一番最初に、1992年の7月から2011年の7月までの間に、よく主治医を変えたことを先生に詫びた。そして、入江先生に私が訊きたかったことを書いた手帳を先生に渡した。入江先生は、私の手帳を見て、最初は何も言わなかったが、現在は元気ですかとか、私が今ハロマンスという注射を診察の時にしてもらっていることとか、オリンピックのテレビを見ているといったようなことを、入江先生に聞かれたので、正直に話した。そして、手帳に、入江先生に掛かっている時、私は病気だったのか寛解または治癒しているかどうか知りたかったので、確認したら、病気だったと先生は私に話してくれた。そして、最後に入江先生は私にありがとうと2回言って、私の診察は終わった。

 たった5分ほどの時間だったが、先生は昔と殆ど変わらなかった。クリニック自体はかなり変わっていたが、入江先生は元気だった。もう入江先生とお会いすること、診察を受けることは2度とないと思う。入江先生を紹介して下さった心理の杉浦京子先生のことも聞きたかったが、杉浦先生とも会うことはないだろう。入江先生に会うということを身内に話したところ、猛烈な反対にあったが、入江先生に会うことが出来て、本当に良かった。その日のことは決して忘れないと思う。