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コイケで学んだこと

 私は2021年10月から2021年12月まで、山梨県にある株式会社コイケという会社で、期間工として働いていました。コイケという会社はSAWウェーハを作っている会社で、コイケの製品はHuaweiのスマートフォンなどの部品として、利用されています。

 9月末に山梨県に赴任した後、10月から期間工として、株式会社コイケの生産本部製造1部で、勤務開始しました。配属先は製造1部のオリハラ担当の部署です。

 オリハラ担当の部署に配属になったのはいいのですが、前職が事務職で工場勤務はかなりのブランクがあったことや、老眼が進んでいたこともあり、作業が覚えられない。出来ないといった状態が続き、現場の管理室でただ突っ立っている状態が、何日も続きました。最初のうちは親切に接してくれた仲間も、私の状態を見て疎遠になってしまいました。現場のオリハラ担当の責任者の窪田さんも頭を痛め、しばらくたって端面加工担当に配置替えとなりました。

 オリハラ担当の部署から端面加工担当の部署に配置転換となった後、責任者の田草川さんから、後でウェーハとなる円筒の形をした素材に研磨材を付け加工する業務(ブラスト業務)を行うよう指示を受けました。私は前の部署で、仕事が出来ていなかったこともあり、ブラスト業務に関しては、作業手順をメモ帳に書き、それをまとめ、必死になって業務に取り組みました。周囲の仲間が雑談をしていたのですが、私は仕事が出来ないので、その輪に入ることは出来ませんでした。ただただ必死になって、研磨材の加工業務をするしかありません。とにかくやる気だけは失わずに、ただただ作業するだけです。今、振り返ってみても、きちんと正確に早く作業は出来ていなかったと思いますが、前向きに作業に取り組んでいたこともあって、周囲の仲間も親切に接してくれるようになりました。そして、田草川さんが他の部署から、タンク清掃の仕事など私に与えてくださったのですが、契約が12月末までということで、現場での仕事は終了となりました。

 今、振り返ってみても私自身、仕事は出来ていませんでした。端面加工担当の部署に配属となり、ブラスト業務を必死になって行ったのですが、周りの仲間は当然のことながら、正確に早く業務を行っていて、しかも加工した素材の端面の切断まで行っています。それでも、私が黙々と前向きに作業に取り組んでいたこともあり、親切に接してくれました。

 私自身、3ヵ月間コイケでお世話になって、多くのことを学びました。人それぞれ適材適所があることや、責任者の言うことや指示には従うこと。たとえ不慣れな業務であっても、情熱を失わずに前向きに取り組むこと。集団で作業をする時は、決してマイペースで作業を行うのではなく、お互い協調して業務を行うこと。もうここに書ききれないほど、数多くの事を、株式会社コイケの生産現場で教わりました。

 現在、私は約6年間弱にわたる東京都の非常勤職員として勤務してきた時の蓄えと、株式会社コイケの時の蓄えや経験をもとに生活しています。株式会社コイケにおいての経験は、私の人生を大きく変えるものでした。たった3ヵ月間、期間工として勤務しただけでしたが、コイケには優秀な人材が多くいたように思います。コイケで学んだことをもとに、今後の人生を過ごしていきたいです。株式会社コイケの方々、また、派遣元の日総工産の方々、本当にありがとうございました。